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中央ニュース

2010/07/26

都道府県の建設業対策 受注機会確保の一方、再編・淘汰(とうた)見据えた支援策も 国交省の監理課長等会議報告

 国土交通省は、本年5月から6月にかけて全国8ブロックで実施した2010年度上半期監理課長等会議の報告をまとめた。地域建設業を取り巻く経営環境をめぐっては、各都道府県から「民間投資の低迷と公共投資の減少により、今後の見通しに危機感を持っている業者が多い」といった現状が報告された。その対応策を尋ねたところ、「総合評価方式などの入札制度改革により、中小建設業の受注機会を確保する」との回答がある一方、「建設業の再編・淘汰(とうた)は不可避であり、企業合併・再編や経営の多角化、新分野進出などへの支援を実施していくべき」との意見も数多く寄せられたという。
 各都道府県が10年度に取り組む建設業支援策のうち、新分野進出の調査費や初期投資などへの助成金制度を整備しているところは23団体と、全体の約半分を占めた。北海道、青森、岩手、富山、兵庫、愛媛、熊本、大分は、建設業に限定した運転資金・設備資金の融資・出資制度を整備。北海道、秋田、富山、鳥取、愛媛、福島、佐賀などは、一つの自治体で複数のメニューを設けていた。建設業に対する経営相談やセミナーを実施している都道府県は32団体に達した。
 建設業への金融支援策をめぐっては、本年度末までの時限措置となっている国交省の「地域建設業経営強化融資制度」や「下請債権保全支援事業」を継続してほしいとの声が上がったという。
 入札契約制度の改善状況をヒアリングしたところ、何らかの形で総合評価方式の透明性確保に取り組んでいる都道府県は、東京、岐阜、和歌山、島根、山口の5団体。現在、導入を検討中との回答も7団体から寄せられた。
 09年度実績を基に、低入札価格調査の実施件数に対する排除の割合を尋ねてみると、9割以上排除していた団体は佐賀、高知、奈良、栃木、千葉、沖縄の6団体で、5割以上の排除が15団体だった。ただし、全国平均の排除率は31・4%にとどまり、低入札価格調査対象工事の約7割がそのまま落札されている実態が分かった。

提供:建通新聞社