勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)は、3月から本格的実施を開始した掛金納付の電子申請方式について、建設会社からの利用申し込みの状況や、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携による今後の利便性向上策などについて明らかにした。利用申し込みは3月23日現在、767社に上っている。また、ペイジーを使って利用できる金融機関は、ゆうちょ銀行を含め353機関になった。
電子申請の導入で建退共は2020年10月から試行的実施を開始。2月末までの間に下請けを含め195社の利用申し込みがあった。3月1日の本格的実施への移行後、572社の利用申し込みがあり、申し込みは累計で767社(中小702社、事務組合19社、大手19社)となっている。
現在、1日に30〜40社の申し込みがあり、建退共では、4月以降、申し込みが拡大するとみている。
利用申込書は、建退共のホームページからダウンロードするか、建退共がホームページで提供している就労実績報告作成ツールから印刷。必要事項を記載して最寄りの建退共支部に提出(現在は原則として郵送)する。3月に入ってからの申し込み者には、電子申請専用サイトの開通通知(ログインID・パスワード)を3月末から順次発送する。その後は、申し込みから1週間程度で開通通知を行う。
電子申請に必要な退職金ポイントの金融機関を通じた購入では現在、353機関がインターネットバンキングを利用したペイジーに対応している。このうち12機関ではATMを利用したペイジーにも対応する。口座振替で退職金ポイントを購入できる金融機関はまだないが、97機関が口座振替の契約の締結あるいは手続きに漕ぎ着けており、4月以降、対応が順次始まる。建退共では、既存の証紙の退職金ポイントへの交換にも対応している。
CCUSとの連携では現在、被共済者を雇用する下請けがCCUSからデータを取り組み、就労実績報告を作成できる。機能を今後拡大し、22年4月をめどに、元請けや1次下請けもデータを取り込めるようにする。元請けらの代行による下請けの事務負担の軽減や統一的な電子申請方式の実施をはじめ、建退共の就労実績によるCCUSの就業履歴保管などにつなげる。
就労実績報告作成ツールそのものについても、21年3月末までに電子申請方式本格的実施対応版の供用を開始する。さらに10月1日、利便性向上版を供用する予定。
建退共では、電子申請方式に関する新たなチラシを作成してホームページに掲載。この中で、「よくある問い合わせ」について回答し、▽同一の就労日に、電子と証紙の重複した掛金納付はできないこと▽証紙方式を今後も継続するため、現場ごとに電子か証紙を選択すること▽同一の被共済者に対し、現場によって、証紙と電子の両方の掛金納付ができること―などを説明している。
提供:建通新聞社