公共事業費に前年度比11・5%減の6兆0695億円(一般会計、国費)を計上した2021年度当初予算が、3月26日の参院本会議で可決、成立した。公共事業費2兆4610億円とした20年度第3次補正予算と一体で執行し、防災・減災、国土強靱(きょうじん)化を加速させる。
総事業費15兆円の規模となる「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の初年度分の事業費は20年度第3次補正予算に計上しており、当初予算だけを見ると11・5%の減額。
ただし、21年度に出来高が生じる20年度3次補正予算と21年度当初予算に計上した公共事業費の合計額は8兆5305億円で、前年度とほぼ同じ規模となる。
21年度当初予算案では、官民が連携して水害に備える「流域治水」を推進するため、防災・安全交付金に8540億円を計上した他、雨水貯留施設整備に対する個別補助を394億円に拡充。災害発生時の帰宅困難者らの受け入れ施設整備に対する「地域防災拠点建築物整備緊急促進事業」に140億円を計上している。インフラの老朽化対策では、道路メンテナンス事業費補助に2223億円を確保する。
公共工事の施工時期の平準化を図るため、2カ年国債は122・5%増の4305億円に倍増。ゼロ国債にも35・0%増の1323億円を確保する。
省庁別の公共事業費は、国土交通省が5兆2587億円、農林水産省が6995億円、厚生労働省が1719億円、環境省が495億円などとした。
提供:建通新聞社