建設経済研究所は、2035年度までの建設投資の中長期予測をまとめた。新型コロナウイルス感染症の影響から早期に経済が回復した場合、35年度の建設投資額(名目値)は19年度比3・5%増の67・7兆円になると推計。コロナの影響が長期化する場合は、35年度の建設投資額が19年度比2・7%減の63・6兆円になると予測している。
民間非住宅建設投資、民間土木投資、民間住宅投資、民間建築補修(改装・改修)投資、政府建設投資の与える影響をそれぞれ特定し、投資予測に反映させた。ベースとしたのは19年度の建設投資である65・4兆円。
コロナの影響から早期に経済が回復するシナリオでは、21年度の61・9兆円を底に建設投資も回復。35年度の民間非住宅建設投資は、東京を中心とする大規模供給が継続することを前提として、19年度比18・9%増の20・8兆円に伸びるとした。民間住宅投資は、少子高齢化で着工戸数が19年度比19・1%減の71・5万戸まで縮小する。
政府建設投資は、19〜21年度並みの水準が維持され、2・0%増の25・4兆円になるとした。
一方、コロナの影響が長期化するシナリオでは、22年度に19年度比10・1%減の58・8兆円まで建設投資が落ち込み、現在の水準まで回復するのは30年ごろになると予測。 35年度の投資額も、民間非住宅建設投資が17・2兆円(19年度比1・7%減)、民間住宅投資が13・6兆円(同16・6%減)といずれも減少するとみている。
提供:建通新聞社