2021/03/24
職人基本計画見直しへ 関係者に意見聴取
自民党・公明党の所属国会議員でつくる日本建設職人社会振興議員連盟の職人基本計画見直し検討会は、基本計画見直しに向けた有識者や関係団体へのヒアリングを開始した。3月22日に開いた会合の冒頭、検討会の会長を務める桜田義孝衆院議員=写真=は「現場の安全対策は公共工事と民間工事の格差が課題。格差是正に向けて現実的、有効な手段を講じていきたい」と発言。5月までに現場の安全対策や墜落防止対策の効果について、関係者の意見を聞く。
2016年12月に成立した建設職人基本法は、建設工事従事者の安全と健康の確保を国・都道府県の責務とし、法制・財政・税制上の措置を求めた議員立法。安全衛生経費の確実な支払いや墜落・転落災害の防止対策の充実などの具体策を盛り込んだ基本計画も17年6月に閣議決定している。
同法については、超党派の国会議員でつくる「『建設職人基本法』超党派国会議員フォローアップ推進会議」が手すり先行工法の設置を義務化するための法改正を目指していたが、建設業団体の反対を受けて再検討。与党議連が仕切り直し、今年2月から基本計画見直しの検討に着手した。
ヒアリングでは、基本計画策定後の状況変化(女性活躍の推進、外国人の安全対策、高齢化対策、新型コロナウイルス感染症の拡大、新技術の活用)、労働災害の発生状況、墜落転落対策などについて関係者の意見を聞く。高所作業に義務付けられたフルハーネスの着用、有給取得の義務化などの施策の効果についても聴取する。
22日の会合では、建設業労働災害防止協会(建災防)、労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所、芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授がヒアリングに応じた。建災防は、現場の労働災害の減少率が鈍化していることを踏まえ、ヒューマンファクター(人的要因)に着目した新たな災害防止対策の必要性を訴えたという。
検討会は、5月までに建設業団体9団体にヒアリングを行い、基本計画見直しの論点を整理する考えだ。
提供:建通新聞社