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2021/03/19

建設業の新卒採用計画 大卒は文理で拡大

 厚生労働省の労働経済動向調査によると、新規学卒者(2021年3月卒)の採用を予定している建設業の事業所は、文科系の学生を採用する事業所が52%、理科系が63%となり、いずれも前年同期を3ポイント上回った。大学院卒は前年と同水準で、高卒、高専・短大卒、専修学校卒はそれぞれ3〜7ポイントのダウンとなった。全産業の平均と比べると、建設業では採用計画のある事業所が全ての学歴で多く、建設業の根強い人手不足感をうかがわせる結果となった。
 調査は、景気の変動が雇用に及ぼしている影響を把握するためのもの。30人以上の常用労働者を雇用している全国の2941事業所の2月時点の状況をまとめた。
 建設業で採用計画のある事業所の割合を見ると、▽高卒は58%▽高専・短大卒は44%▽大卒文系は52%▽大卒理系は63%▽大学院卒は30%▽専修学校卒は34%―。建設業では他業種に比べても採用計画のある事業所が多く、特に大卒人材の採用が拡大した。
 全産業の採用計画のある事業所の内定状況を見ると、高卒、大卒、大学院卒では「採用計画数どおり」との回答が最も多かった。専修学校卒については「採用計画数に達していない」が最多。高専・短大卒は「計画数どおり」と「達していない」が同数だった。
 正社員労働者の過不足の状況を見ると、建設業は「不足」との回答が50%なのに対して「過剰」が3%で、差し引きした過不足判断DI値は47となった。前年同期(DI値58)からは11ポイント不足感は緩和されたが、昨年8月の39からは不足感が高まっている。また、2月時点の全産業より20ポイント高く、人手不足が続いていることを改めて裏付けた。
 残業規制や希望退職者の募集、解雇など雇用調整の実施状況についても調査した。昨年10〜12月期に建設業では26%の事業所が雇用調整を実施しているが、その割合は医療・福祉を除いて全産業で最も低かった。
 実施した内容(複数回答)は▽残業規制が10%▽休日の振り替え、休暇の増加が10%▽配置転換が9%―で、新規学卒者の採用抑制、退職者の募集や解雇を実施した事業所はごく少数とみられる。

提供:建通新聞社