2021/03/08
ICT建機の認定制度創設を検討
国土交通省は、2021年度からICT建機の認定制度創設の検討に入る。i−Constructionのスタートから5年が経ち、ICT施工の実施件数は直轄工事だけでも年間2000件を超えたものの、建機全体に占めるICT建機(バックホウ)の割合は5%にすぎない。中小建設業が安心して選択できるICT建機の認定制度創設と合わせ、認定した建機を使用した企業へのインセンティブも検討する。
直轄工事でのICT施工は、2019年度に2132件で実施された。初年度の16年度と比べると3・7倍、入札公告に対する実施工事の割合(実施率)は16年度の36%から79%に伸びた。都道府県・政令市の発注工事でも1136件でICT施工が実施されており、国交省はより小規模な工事にもICT施工を適用できるよう、技術基準や積算基準の改善を進めている。
ただ、ICT施工の発注工事の増加にICT建機の普及が追いついていない。建設分野で保有されているバックホウ(0・2立方b級)のうち、ICT建機は5%(建設業0・3%、レンタル業4・7%)にすぎない。
国交省は、ICT建機の普及の遅れが、中小建設業にICT施工を定着させる障壁になる恐れがあるとして、同省の要件をクリアしたICT建機の認定制度創設を検討する。バックホウ、ブルドーザ、振動ローラ、モータグレーダなどの土工機械や測量機器に認定を与え、中小建設業が選択しやすいようにする。
小規模工事に対応したICT建機をめぐっては、従来型建機に後付けで装着可能なシステムの開発・実装も進んでおり、こうした機器も認定の対象にしたい考え。メーカー側のICT建機の開発を後押しするため、認定建機を使用した施工者に総合評価方式などでインセンティブを与えることも検討する。
提供:建通新聞社