全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)は2021年度の事業計画をまとめた。重点事業として、国土強靱(きょうじん)化とコロナ禍からの日本経済の回復に向けた公共事業の円滑な施工や、週休2日(4週8休)の導入を中心とした働き方改革を推進するほか、新たに地域建設業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みに着手する。
公共事業の円滑な施工については、20年度第3次補正予算と21年度当初予算を合わせて約8・5兆円に上る公共事業を円滑に施工することが、「防災・減災、国土強靱化の推進、コロナ禍からの日本経済の早期回復のために必要不可欠」と強調。47都道府県建設業協会と連携し、地域ごとに発注者・受注者間のタイムリーな意見交換を行い、入札の不調・不落の発生の防止などに取り組む。
また、働き方改革のうち週休2日の導入に関して全建はこれまで、毎月の休日を毎年1日ずつ増やす「休日 月1+(ツキイチプラス)運動」に取り組んできた。これを加速するとともに、時間外労働の罰則付き上限規制(原則年間360時間)が24年度から建設業にも適用されることをにらみ、21年度からは「目指せ週休2日+360時間(2+360 ツープラスサンロクマル)運動」を展開する。
SDGsへの取り組みでは、「SDGs推進委員会」(仮称)を協会内に設置し、21年度内に『地域建設業SDGs経営指針』(仮称)を作成。地域建設業の経営行動と広報活動を支援する。特に政府が50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目標にしたことを踏まえ、「脱炭素社会の構築に向け地域建設業がどのような貢献ができるか、方向性を検討する」。さらに、関連する技術開発の情報収集や、関係機関への提言・要望を行う。
また、広報活動に関して、「地域の守り手」としての地域建設業の役割に対する理解・周知に直接つながるものとして、災害発生時の復旧支援活動を、政府・関係機関やメディアと連携して写真や映像で広く社会に伝える方針だ。
提供:建通新聞社