2021/02/16
PCa関連のガイドライン 認知度は6割
国土交通省は、コンクリート工の生産性を高める「橋梁のプレキャスト化」「埋設型枠・プレハブ鉄筋」「機械式継手工法」の三つのガイドラインについて、直轄の設計業務の受発注者に対してアンケート調査を行った。いずれの工法も認知度が6割程度にとどまっている他、従来工法と比較検討する際の評価方法の改善を求める声も上がった。2021年度に施工段階の活用状況も調査し、その結果を踏まえてガイドラインの改定も検討する。
コンクリート工の生産性向上は、建設現場の生産性を向上させるi−Constructionの一環で進めているもの。
直轄工事の設計業務の受発注者を対象として、18年6月に策定した『コンクリート橋のプレキャスト化ガイドライン』と『コンクリート構造物における埋設型枠・プレハブ鉄筋に関するガイドライン』、19年1月に策定した『プレキャストコンクリート構造物に適用する機械式継手工法ガイドライン』についてアンケート調査を行い、工法の認知度やコスト、生産性について聞いた。
コンクリート橋のプレキャスト化のガイドラインでは、橋梁に現場打ちコンクリートとプレキャスト製品を採用する場合の比較手法を明確化した。プレキャスト製品の採用について、コストは現場条件によって増減があるとの調査結果が出た一方、現場の人工は最小で0・3倍になるなど生産性向上の効果は高かった。
現場打ちコンクリートの生産性を高める「埋設型枠」と「プレハブ鉄筋」についても、現場条件によってコストに増減はあるが、人工を減少させる効果は顕著だった。
プレキャスト製品の接合部に採用する機械式継手工法は、コスト削減の効果は確認されなかったが、人工は最大0・5倍となるなど生産性の向上がみられた。
国交省は、いずれの工法も60%台にとどまっている認知度を高めるため、周知を徹底するとともに、施工段階での活用状況も踏まえてガイドラインの改定を検討する。
提供:建通新聞社