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2021/02/09

社会資本整備重点計画に「インフラDX」

 国土交通省は2月8日に開いた社会資本整備審議会と交通政策審議会の合同部会に『第5次社会資本整備重点計画』の「概要案」を報告した。概要案には、人口減少下で廃止・除却を含めてインフラを管理する「インフラ経営」の視点を追加するとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を新たな重点目標に位置付けるとした。
 社会資本整備重点計画は、社会資本整備に関する重点目標を設定し、目標の実現に向けた施策の5年後の到達目標(KPI)も定める。現行計画が20年度で終了することから、『第2次交通政策基本計画』とともに、21年度を初年度とする次期計画を今春にも閣議決定する。
 8日の計画部会に提示された概要案では、社会資本整備の中長期的な目的を「安全・安心の確保」「持続可能な地域社会の形成」「経済成長の実現」とし、インフラが持つストック効果の最大化を目指すとした。
 その上で▽防災・減災が主流となる社会の実現▽持続可能なメンテナンス▽持続可能で暮らしやすい地域社会の実現▽経済の好循環を支える基盤整備▽インフラ分野のDX▽インフラ分野の脱炭素化・インフラ空間の多面的な利活用による生活の質の向上―の六つの重点目標を定めるとした。
 このうち、インフラ分野のDXについては、次期計画で、新たに重点目標に位置付ける。重点目標を実現するための重点施策と指標には「直轄土木工事におけるICT活用工事の実施率」や「スマートシティの技術を実装した自治体・地域団体数」などを設定する。
 インフラ分野の脱炭素化と多面的な利活用も重点目標に追加する。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、「都市緑化等による温室効果ガス吸収量」「滞在快適性等向上区域を指定した市町村数」などの指標を定める。
 今春に閣議決定する計画には、これらの重点施策の指標に、数値目標も示されることになる。

提供:建通新聞社