2021/02/08
土木工事積算基準 ICT施工に構造物工
国土交通省は、2021年度の直轄工事に適用する土木工事積算基準を発表した。ICT施工の新規工種に「構造物工(橋台・橋脚)」と「路盤工(ICT)」を新設し、2021年度から試行を開始する。コンクリートダム工事の間接工事費の諸経費率を改定する他、下水道の更生工法による改築工事に新区分を設ける。4月1日以降に入札書提出締め切り日を設定しているものから適用する(一部3月1日から適用)。
ICT施工には、橋脚・橋台の出来形管理に3次元計測技術を活用する「構造物工(橋台・橋脚)(ICT)」、ICT建機に取り付けた加速度計と走行軌跡で路盤の密度管理を行う「路盤工(ICT)」の2工種を新設する。この他、見積もりで費用を積み上げる3次元起工測量と3次元設計データ作成について、現場条件で見積額にばらつきが生じるため、過去の実績をベースにした算定式を見積もり参考資料として整理した。
コンクリートダム工事では、高速施工技術の進展で工期短縮が進む反面、従来より多くの現場技術者や労働者が必要となり、間接工事費が増加している。このため、最新の現場実態を踏まえた共通仮設費率と現場管理費率を設定する。新たな諸経費率を直接工事費10億円の工事に適用すると、間接工事費を1・1億円引き上げる効果があるという。
間接工事費では、老朽化した下水道の改築工事が増加していることを踏まえ、更生工法の間接工事費の工種区分である「下水道(4)工事」を新設する。
施工パッケージ標準単価には、「土工(砂防)(ICT)」を新設した他、「床掘工」「人力運搬工」「人口張芝工」「場所打擁壁工」など14工種の日当たり施工量、労務、資機材を見直す。 土木工事標準歩掛は、▽軟弱地盤処理工(高圧噴射攪拌工)▽鋼管・既製コンクリート杭打工(パイルハンマ工)▽ニューマチックケーソン工▽ポストテンション桁製作工▽PC橋架設工▽ポストテンション場所打ホロースラブ橋工▽ポストテンション場所打箱桁橋工▽公園植栽工―の8工種を改定し、日当たり施工量・労務・資機材などの変動を反映した。
提供:建通新聞社