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2021/02/04

自然公園の集団施設地区 官民で再生整備

 環境省の中央環境審議会は、自然公園内の宿泊施設やキャンプ場が一体となった「集団施設地区」について、官民で構成する地域協議会が中心となって再生整備を進めるよう求める答申をまとめた。バブル経済の崩壊に伴って経営状況が悪化し、廃屋化した施設が多数ある現状を踏まえ、地域ごとのマスタープランに基づき廃屋の撤去や施設機能の充実、景観の統一を推進する。自然公園法上に制度を位置付け、財政支援を行うための法案を今国会に提出する。
 自然公園では、集団施設地区を指定し、宿舎やキャンプ場、園地などを一体的に整備してきた。しかし、全国の公園で経営悪化に伴う廃墟が増加しており、景観の悪化が大きな問題となっていた。
 審議会はこうした現状を踏まえ、自治体や民間事業者など地域の関係者と環境省が一体となって協議会を立ち上げ、地区の面的な再生整備を推進するよう提言。
 協議会がマスタープランを作成し、▽廃屋の撤去▽新たな投資▽地域のニーズに沿った公園機能の充実▽景観デザインの統一▽無電柱化―などを計画的に進めるよう求めた。これに合わせ、再整備の促進に向けた財政支援、景観法・空家対策特措法との連携、自然公園法に関係する手続きの簡素化などの施策メニューを提案した。
 集団施設地区の再生に際し、必要に応じて地方公共団体が土地を取得し、民間への一部貸付けを行う―といった事業スキームも例示。また、中小企業庁と連携し、公園事業者の事業再生や、円滑な事業終了も支援する。権限の譲渡など、公園事業の引き継ぎの円滑化に向けた制度設計も促している。

提供:建通新聞社