政府は2月2日、気候変動に伴う降雨量の増加に対応したハード整備を加速し、浸水被害を軽減するための特定都市河川法等改正案を閣議決定した。国・地方自治体・企業・住民といった、あらゆる関係者で治水対策を推進する流域治水の実効性を高めるため、「流域治水関連法案」として今通常国会で成立させる。
特定都市河川法の他、河川法、水防法、下水道法、都市計画法、都市緑地法などを一体で改正し、流域治水のための法的な枠組みを整える。
特定都市河川法に基づく「特定都市河川」の指定対象を都市部から全国の河川に拡大。指定河川の流域の関係者でつくる協議会が流域水害対策計画を作成し、雨水貯留対策の強化などに当たる。
河川管理者や電力会社が「ダム洪水調節機能協議会」を設置し、利水ダムの事前放流について協議できるようにする。下水道では、浸水被害を防ぐべき「目標降雨」を定め、ハード整備を加速する。
都道府県が沿川の保水・遊水機能を有する土地を確保する「貯留機能保全区域」も指定できるようにする。水防災に対応したまちづくりを推進するため、都道府県が指定する「浸水被害防止区域」では、建築行為に対する許可制度を創設する。
国土交通大臣による権限代行の対象は拡大し、災害時に堆積した土砂の撤去などを国が代行できるようにする。
提供:建通新聞社