トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2021/01/07

ICT施工データ クラウドで一元利用

 国土交通省は、2021年度からICT施工の現場で得られるデータを受発注者が共有できるクラウドシステムを構築する。中小建設業がICT施工に取り組みやすいよう、3次元設計や出来形管理などのデータをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で連携し、クラウド上で一元的に利用できる環境を整備する。20年度第3次補正予算案に関連経費を計上しており、21年度にクラウドと連携するための基本ルールを定める。
 ICT施工の現場では、測量・設計・施工・監督・検査などを行う関係者が、異なるICT機器や関連ソフトウェア(CADソフト、点群処理ソフトなど)を利用しているため、各作業でのデータを円滑に流通できず、施工管理の支障となっている。
 空中写真・ICT建機・3次元設計・施工状況・出来形管理などのデータを受発注者や建機レンタル、建設コンサルタントなどが共有するためのクラウドシステムを構築する。クラウドに蓄積したデータにはどこからでもアクセスできるため、テレワーク環境の整備にもつながる。
 国交省がAPI連携のための基本ルールとなる標準API仕様を21年度に定め、この仕様に沿った複数の事業者にサービス提供を認める。API連携した事業者には、定額料金を支払うと一定期間のサービスを受けられる「サブスクリプション方式」での提供を認める。
 こうしたサービスは一部の建機レンタル会社が行っているが、データを流通させることでICT施工が未経験の中小建設業を幅広く支援。初期投資や人材育成の負担を軽減し、ICT施工に取り組みやすい環境を整える。
 中小建設業へのICT施工の普及に向けては、21年度に「3次元データ作成の手引き」をまとめる他、ICT施工の現場で3次元データの作成などを支援する技術アドバイザーも育成する。

提供:建通新聞社