2021/01/06
国土交通省が発足20年
2001年1月に国土交通省が発足してから、きょう6日で20年がたった。それまでの1府22省庁を1府12省庁とする中央省庁再編に伴い、国交省は、建設省、運輸省、国土庁、北海道開発庁の4省庁の統合によって誕生した。発足当時から期待されてきたのは、公共事業や災害対応の面で、統合の効果をいかに発揮するかということだ。
縦割り行政の排除を目的とする中央省庁再編は、橋本内閣が決定し、森内閣時の01年1月6日に新体制が整った。
再編された中央省庁の中でも、4省庁を統合した国交省は、内閣府、総務省、厚生労働省と並び、再編の影響が最も大きかった省庁の一つ。インフラ整備の面では、旧建設省の道路・河川・住宅分野、旧運輸省の空港・港湾分野で、統合による新しい政策展開が求められていた。
この20年間のインフラ整備を振り返ると、三大都市圏の環状道路整備率は43%から82%、河川堤防の整備率は56%から69%、整備新幹線の整備延長は117`から930`へとそれぞれ進展。
10年10月に供用を開始した羽田空港D滑走路の整備に当たっては、多摩川の通水性を確保するため、航空局と河川局(当時)が連携し、人工島と桟橋のハイブリッド構造で施工。羽田空港の年間発着枠は30・3万回から44・7万回に増加し、その後の訪日外国人の飛躍的な増加につなげた。
06年にハートビル法と交通バリアフリー法を統合したバリアフリー法によって、旅客施設と建築物のバリアフリー化率も高まった。16年12月に道路局と自動車局が設置した自動運転戦略本部は、自動運転車両の安全基準と、自動運転に対応した道路空間の基準策定といった環境を整備。現在も自動運転の実用化を推進している。
「計227法案を国会提出」
国交省は、この20年で合計227法案を国会に提出するなど、社会変化に応じた法制度も整えてきた。発足後1カ月が経過した01年2月には、その後の公共調達に大きな影響を与えた入札契約適正化法が施行。翌02年6月には、都市の再開発を後押しする都市再生特別措置法も施行された。04年6月には道路公団民営化のための関連法が公布され、05年10月には高速道路会社6社が設立されている。
提供:建通新聞社