2020/12/24
都道府県公契連 総務省も改善指導
国土交通省と総務省は、市区町村の入札契約制度を適正化するため、「都道府県公共工事契約業務連絡協議会(都道府県公契連)」に参加し、改善を働き掛ける。毎年度実施する入札契約適正化調査で、施工時期の平準化やダンピング対策、入札不調対策などが遅れている市区町村に対し、都道府県公契連で両省が直接改善を促す。建設キャリアアップシステム(CCUS)の公共工事での活用も呼び掛ける。
都道府県や市区町村などを構成員とする都道府県公契連は、入札契約制度の情報共有を目的に都道府県単位で設置されている。国交省は、改正品確法や改正入札契約適正化法を浸透させるため、2020年度から会議に出席しており、すでに28道府県の会合に参加。出席した市区町村に対し、制度改善を直接働き掛けている。
12月23日、国交省不動産・建設経済局建設業課長と総務省自治行政局行政課長の連名で、都道府県・政令市に都道府県公契連との連携を強化することを通知。今後は、総務省もこの会合に出席し、制度改善を求める。債務負担行為を活用した施工時期の平準化など、予算措置を伴う課題も議論するため、各自治体の契約部局だけでなく、財政部局や事業部局の参加も求める。
『防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策』が閣議決定され、21年度以降の公共事業費の確保が担保されたことから、入札不調・不落の発生を抑止する施工確保対策も周知する。一方、低入札価格調査制度・最低制限価格制度を導入していない市区町村に対しては、制度導入によるダンピング対策の徹底も呼び掛ける。
23年度からの「あらゆる工事でのCCUS完全実施」の実現に向け、自治体発注の公共工事でのCCUS活用を訴える。都道府県については、10月時点で42都道府県がすでにCCUSを活用していたり、活用を検討するとしており、都道府県公契連で市区町村にも活用を働き掛ける。
提供:建通新聞社