文部科学省は12月22日、国立大学施設の整備に関する有識者会議を開き、2021年度から5年間の次期整備計画策定に向けた最終報告案を提示した。整備目標として、既存施設の老朽改善を約785万平方b、新増築を約30万平方b、国立大学付属病院の整備を約45万平方bで実施する必要があるとし、配管などのライフライン整備と合わせて合計約1兆0500億円が必要になるとの見通しを示した。
報告書案では、老朽化が進む膨大な施設の整備と維持管理を効率的に進めるため、戦略的なリノベーションの導入が必要と指摘。長期的に必要な施設を選定し、長寿命化手法による整備に転換するよう求めている。
このため、施設の改修・更新のライフサイクルも見直す。建設から30〜40年程度で大規模改修に着手し、60〜65年で改築するという現行のサイクルから、より短期での性能維持改修と大規模改修を組み合わせ、80〜100年にわたって施設を使用する方向へ転換する。
この他、新たな取り組みとして、大学をイノベーションの拠点と位置付け、研究者間の交流を促すような施設構成を検討すること盛り込んだ。
施設整備に際しては国の施設整備補助金に加え、官民連携手法の導入による民間資金の活用など、多様な財源を生かすことも盛り込んだ。
提供:建通新聞社