国土交通省は、時間外労働の上限規制が2024年4月から建設業に適用されることを見据え、直轄工事での「週休2日工事の取組方針」=図参照=を決めた。21年度に本官工事(整備局発注)の全て、分任官工事(事務所発注)の50%を目標として発注者指定型を適用。21年度以降、分任官工事も段階的に受注者希望型から発注者指定型へと移行し、上限規制が適用される24年度には維持工事を含む全ての現場を原則週休2日にする。
直轄の週休2日工事は、16年度に実施件数165件、全工事に占める割合(実施率)が2%だったが、19年度には4835件、実施率50%まで増加。20年度からは、原則全ての工事を週休2日工事として公告している。
週休2日で工期が長くなることに伴い、現場閉所の実績に応じ、労務費・機械経費(賃料)・共通仮設費・現場管理費を補正し、必要経費を発注者が負担している。
週休2日工事は、発注者指定型か受注者希望型で公告。19年度の週休2日工事の実施件数4835件では、発注者指定型が425件、受注者希望型が4338件、週休2日交替制モデル工事が72件だった。
時間外労働の上限規制の適用を3年後に控え、発注者指定型を段階的に増やし、上限規制が適用される24年度に全ての直轄工事の現場を原則週休2日とすることを目指す。本官工事は21年度に全ての工事を発注者指定型で発注。分任官工事は、21年度に50%、22年度に70%を目標に発注者指定型で発注し、受注者に週2日の現場閉所に取り組んでもらう。
「交替制工事も発注者指定型に」
一方、現場閉所が難しい維持工事などで試行している「週休2日交替制モデル工事」でも、21年度から発注者指定型を採用する。これまでは全てのモデル工事を受注者希望型としてきたが、21年度は一部の通年維持工事と災害復旧工事、22年度は全ての通年維持工事と一部の災害復旧工事、23年度は現場閉所が困難な工事(交通規制・出水期・完成時期などの制約のある工事、連続施工せざるを得ない工事など)へと発注者指定型の対象を段階的に拡大。24年度から全てのモデル工事に発注者指定型を採用する。
提供:建通新聞社