政府が12月15日に閣議決定した2020年度第3次補正予算案のうち、国土交通省の関係予算は総額3兆2912億円(国費)となった。このうち公共事業関係費は1兆9342億円(事業費ベース2兆7723億円)。『防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための5か年加速化対策』に関連する公共事業費には国費1兆3611億円を計上している。
20年度3次補正予算案は、8日に閣議決定した経済対策の財源となるもので、年内に決定する21年度当初予算案と一体の『15カ月予算』として、国土強靱化や新型コロナウイルスの感染拡大防止策を講じる。
加えて、21〜25年度の5年間に事業費15兆円を充て、国土強靱化に向けたインフラ整備を推進する5か年加速化対策の初年度分の経費にもなる。
国交省分の公共事業費1兆9342億円は、補正予算の国交省分としては自民党への政権交代後の12年度と同規模だが、21年度当初予算案に5か年加速化対策の関連予算は計上されない見通しだ。
国土強靱化関連の主要事業は、気候変動で激甚化する自然災害に対し、あらゆる関係者が協働で取り組む「流域治水」の推進に4262億円を確保する。高速道路のミッシングリンクの解消と暫定2車線区間の4車線化には、国費2058億円に加え、財政投融資5000億円を当てる。
インフラの老朽化対策では、河川・ダム・道路・鉄道・港湾などの修繕に1295億円を計上。地方自治体の防災・減災、インフラの老朽化対策を支援する防災・安全交付金には4925億円を措置する。
この他、インフラ分野などのDX(デジタル・トランスフォーメーション)には17億円を計上。3次元モデルの活用や無人化施工のためのICT環境整備に予算を措置する。老朽ストックを活用したテレワーク拠点の整備には28億円を確保する。
積雪寒冷地域など地域の実情に応じた公共事業の発注措置として、国庫債務負担行為(ゼロ国債)に事業費1763億円を確保している。
提供:建通新聞社