政府は12月8日、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた新たな経済対策を閣議決定した。財政支出40兆円、事業規模73兆6000億円の経済対策は、『15カ月予算』として編成する2020年度第3次補正予算案と21年度当初予算案や、20年度の予備費を財源に充てる。柱の一つである国土強靱(きょうじん)化の事業規模は5兆9000億円を見込んでいる。
経済対策の柱は、新型コロナウイルスの感染拡大防止、経済構造の転換、防災・減災、国土強靱化とする。
国土強靱化については、21〜25年度の事業規模を15兆円とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(仮称)」を別途、閣議決定する。経済対策における事業規模は5兆9000億円(財政支出5兆6000億円)とし、気候変動を見据えた「流域治水」、直轄国道の防災対策、住宅・建築物の耐震化、重要インフラの老朽化対策などを推進する。
これら公共事業については、適正な積算・工期での発注、施工時期の平準化など、建設業の働き方改革を推進するとした。
また、脱炭素社会実現に向けた省エネ性能の高い木造住宅の普及促進、空港機能の強化、都市再生・民間都市開発、高速道路の4車線化などには財政投融資1兆3000億円を活用する。
ポストコロナに向けて経済構造を転換するため、インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)やスマートシティなどのデジタル改革を推進。グリーン社会の実現に向け、グリーン投資を促す基金の創設、グリーン住宅ポイント制度なども盛り込んでいる。
新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金を拡充し、国有財産を活用したサテライトオフィスの整備、テレワーク拠点の整備に対する支援措置も講じる。
提供:建通新聞社