厚生労働省は12月8日、2018年4月以降に適用していた労災保険の「水力発電施設、ずい道等新設事業」の労務費率と労災保険率が誤っていたことを明らかにした。正しい率で再計算した保険料額が、現行の数値による額を下回っていた場合はその差額分を事業者に還付する。該当する工事内容で、18年度以降に労務費率に基づいて保険料を算定したのは約350事業場。1事業場平均で120万円程度(総額約4・2億円)の還付処理が必要となる見込みだ。
労務費率は、請負金額に占める賃金総額の割合として厚労省が工事区分ごとに定めている。元請けが労災保険料を算出する際、数次にわたる下請けの賃金総額を全て算定するのが困難なとき、請負金額に労務費率を乗じて保険料を算出することを認めている。
厚労省は、算出時に用いたプログラムに誤りがあったことを受けて、18年4月以降の労務費率を現行の「19%」ではなく「18%」、労災保険率も現行の「1000分の62」ではなく「1000分の64」に修正した。
正しい率に基づく再計算の結果が現行の保険料上回っている場合は追加納付は求めない。
今後、必要な省令改正を行い、還付処理を行う。還付の時期、方法については別途、公表する。
今回の見直しは、11月に公表した21年度以降の労務費率、労災保険率には影響しない。
問い合わせ先は労働保険適用・徴収労災保険相談ダイヤル0570(00)6031
提供:建通新聞社