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中央ニュース

2020/12/03

緊急的な雨水事業 財政措置の検討求める

 総務省の「下水道財政のあり方研究会」(座長・小西砂千夫関西学院大学大学院教授)は、水害が頻発・激甚化している現状を踏まえ、下水道事業のうち緊急性の高い雨水事業への地方財政措置の在り方を検討するよう、国に求める報告書をまとめた。都市部に降った内水を速やかに排除し、内水氾濫による市街地の浸水を防止・軽減する雨水事業の役割について、整備実態を踏まえた措置の検討を促している。
 現行制度では分流式下水道の場合に資本費の1割、合流式下水道の場合は6割を雨水分と想定して措置を講じている。研究会は、特に人口密度の高い都市部では、雨水資本費の占める割合が現行の措置の想定を上回っている実態を指摘。内水氾濫対策の必要性が高まっている現状を踏まえ、緊急的な雨水事業を円滑に実施できる地方財政措置の在り方を検討するよう求めている。
 報告書では、全国の下水道事業の現状を分析。2009年には1兆8988億円だった建設改良費が18年には1兆5656億円に減少し、施設の新規整備が終了しつつあるとした。一方、同じ期間に改良事業の割合が18・4%から35・0%へと上昇し、今後も老朽対策や更新事業の占める割合が大きくなるとしている。その上で、小規模自治体を中心に収支の厳しい事業があることに触れ、使用量の水準や汚水処理の最適化、特に経営が厳しい事業への財政措置について検討を求めた。
 また、公害財特法に基づき下水道事業に適用している公害防止対策事業債については、対象エリアの下水道整備率が既に高い水準にあることから、必要性を再検討するよう促している。

提供:建通新聞社