文部科学省は、国立大学施設の長寿命化に向けて、施設の改修・更新のサイクルを見直す。現行のサイクルは築30〜40年程度で大規模改修、築60年〜65年程度で改築するというもの。これを、20〜24年で性能維持改修、45〜49年で大規模改修、70〜74年で再度の性能維持改修を行い、80〜100年にわたって施設の使用を継続する方向へ転換する。
2021年度から5年間を対象とした次期国立大学法人等施設整備計画の策定に向けた最終報告案に盛り込んだ。
施設の老朽化対策では、昭和40年代、50年第に建設した膨大な施設の老朽化に対応するため、戦略的なリノベーションを推進。45年以上が経過した施設のうち大規模改修が未実施で、今後も長期にわたる使用が見込まれる場合は、「全て改修を行う」こととしている。
次期施設整備計画には、5年間に必要となる施設整備の見通しも示す。これまでに、施設整備の規模を延べ約873万平方b、総額約1兆0828億円とする試算をまとめており、今後21年度当初予算の内容を踏まえて金額を固める。
また、次期施設整備計画では、大学に求める新たな役割として、イノベーションを起こす「共創の場」を位置付ける。外部と共同利用できる研究施設などの整備を促していく。
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ「新たな日常」に対応するため、オンライン教育が可能な設備の整備や、三密を回避できるスペースの確保についても記載する。
一連の整備を効率的に実施するため、国の施設整備費補助金だけでなく、官民連携、PFIなどの多様な資金の活用も促進する。
提供:建通新聞社