厚生労働省がまとめた「テレワークの労務管理等に関する実態調査」(速報版)で、在宅勤務をはじめとしたテレワークの推進には、事務業務でのICT活用が重要なことが改めて明らかになった。従業員を対象とした調査では、テレワークの活用に必要なこととして53・2%が「ペーパーレス化の推進」、44・2%が「電子申請や電子決済の導入により紙書類への押印をなくすこと」を挙げるとともに、43・1%が「自宅のICT環境の改善・充実」を求めた。
調査は従業員10人以上の全業種(農林水産業、公務除く)の企業で実施し、3788件の回答を得た。また、対象企業の従業員にも別途調査を行い、4184件の回答を得た。
企業向け調査の結果を見ると、テレワーク(在宅勤務)を導入している企業は全体の34・0%。建設業は「制度として認めている」が13・0%、「制度はないが実施する従業員がいる」が20・0%で、合計33・0%がテレワークを行っていた。
テレワーク中の従業員に対しては、回答企業の74・4%がパソコン、47・9%がスマートホンなどを貸与。インターネット接続の通信機器を負担している企業は25・3%だった。
テレワークの課題には、「書類・資料が電子化されていない」(38・5)ことを挙げる意見の他、「労働時間の申告が適正かどうかの確認が難しい」(34・2%)など、勤怠管理の難しさを指摘する声が多かった。
従業員向けの調査を見ると、勤怠管理については「働いた時間よりも短く報告することが多い」が10・3%を占め、一部で労働時間の把握が困難になっている実態があった。勤怠管理の方法は「始終業時に報告を求めている」が48・5%で最多だった。
提供:建通新聞社