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中央ニュース

2020/11/11

技術検定の不正防止 企業への罰則適用も

 国土交通省は、技術検定の実務経験を偽る不正受験が相次いで発覚したことを踏まえ、2021年度から実施する不正防止対策をまとめた。対策では、受験者の工事経歴の記録・管理の徹底、「受検の手引き」の見直し、チェックリストの活用により、受験者や実務経験を証明する企業の理解不足による申請ミスを防ぐ。虚偽申請に対しては、企業名の公表や企業に対する監督処分の厳格化など、企業への罰則適用の可能性を検討。悪質なケースについて、直轄工事の指名停止期間を延長することも考える。
 不正防止対策は、11月10日にまとまった「技術検定不正受検防止対策検討会」の提言を受け、国交省と試験機関が21年度から実施する。一連の不正受験は、受験者の実務経験を証明する企業の役割が不明確であることに起因した理解不足による申請ミスと、企業主導の虚偽申請に大別される。
 提言では、申請ミスの防止と虚偽申請の抑止の二つの観点で対策を提示。国交省と試験機関に対し、21年度中に導入すべき対策と、今後の検討を踏まえた上で導入すべき対策の実施を求めた=表参照=。
 21年度から実施する申請ミスの防止対策では、受験者の実務経験の内容を照合できるよう、企業に根拠資料となる工事経歴の記録・管理を徹底するよう促す。各試験機関は「受検の手引き」を見直し、受験資格・実務経験の要件や実務経験期間の他職種との重複禁止を分かりやすく記載する。
 受験の申込時に間違いやすい項目をチェックリストにまとめ、受験者・証明者が各項目を確認した上で試験機関に提出することも求める。
 実務経験の証明の信頼性を向上させるため、転職者の実務経験を旧所属企業にも証明させることを検討。その際、旧所属企業の証明が得られずに受験資格を得られないといった不利益がないよう、負担軽減策も考える。
 一方、虚偽申請の抑止策では、企業に対するペナルティーを強化する。不正に資格を取得した者を現場に配置した企業は、国交省が企業名を公表。受験者個人への合格取り消しや3年間の受験禁止といった従来の措置に加え、企業に対しても建設業法上の監督処分を厳格化する。
 直轄工事では、不正に資格を取得した技術者を現場に配置した企業に対し、指名停止措置の延長を検討する。
 試験問題は、工程管理や品質管理といったこれまでの出題分野や設問内容の多様化を図り、受験者が模範解答例の暗記だけでは正解できないようにする。受験者が経験した工事ではなく、モデル的な工事に対する施工管理の実施方法を回答させる出題方法などに見直す。
 技術検定の種目間の実務経験の重複チェックや既存データベースを活用して実務経験を確認できるよう、受験申請の電子化も検討する。

提供:建通新聞社