文部科学省は、技術士の継続的な研さん活動(CPD)を蓄積し、対外的に証明できるようにする制度を構築する。11月6日に開いた技術士制度に関する委員会で、CPD登録制度の導入に向けた案を提示した。対象とするCPD活動については、専門書籍の閲覧をはじめとしたインプット型や、論文発表などのアウトプット型など、「可能な限り広範な形態を含める」との方針を盛り込んだ。
文科省は、CPD活動を対外的に証明できるようにすることで、技術士資格の国際的な通用性を確保したい考えだ。また、公共調達でCPD活動の実績が評価対象となっていることも踏まえ、技術士の研さんを客観的に担保できるようにする。
6日の委員会では、CPD活動が技術士の負担とならないよう、幅広い活動を対象とする案を提示した。
また、CPDの内容については、多様な専門分野を持つ技術士が利用できるよう、全部門に共通する最低限度の統一的な基準を設けることとした。
CPDの実績の確認・登録を担う主体には、日本技術士会を充てるとの方向性を示した。今後、技術士会において、CPD活動の具体的な内容に関する新たなガイドラインを策定する。
また、委員会では、技術士制度改革の一環として、技術士補資格の保有者を対象とした初期専門能力開発(IPD)制度の導入についても議論した。高等教育機関の卒業後、技術的実務に就いた若手技術者がOJT以外の場でも研修を受ける機会を得られるようにするとの方針をまとめた。日本技術士会が産学と連携して教育プログラムを整理し、IPD活動の実績管理や、活動証明を担う方向で検討を進める。
提供:建通新聞社