経済産業省は、電気設備の保安管理業務を受託する電気主任技術者に求める実務経験年数について、免状の種類によらず一律に3年に見直す。現在は4年以上の経験を求めている「第2種」、5年以上の経験を求める「第3種」を対象として新たに研修を設け、受講することで必要な経験年数を短縮できるようにする。2020年度内に制度を整え、21年4月の研修実施を目指す。
電気保安人材の確保に向けて制度を合理化する。現行でも「3年以上」の実務経験を求める第1種の扱いは変えないが、第2種で1年間、第3種で2年間分の実務経験を短縮できるようにする。研修は免状の取得後であればいつでも受講可能とする。
また、試験の合格ではなく、認定校の卒業と実務経験で免状を取得した場合についての取り扱いも整備する。研修を受講すれば、免状取得前の経験年数の半分と、取得後の年数を足して3年を超えれば条件を満たしたと認める。
研修の科目や範囲、時間については、研修実施法人が経産省の内規に基づいて立案する。主な研修項目の案は▽関係法令▽設備概要▽月次点検、年次点検の方法▽工事期間中の点検▽事故対応▽作業安全―など。座学だけでなくオンラインにも対応し、合計29時間を想定している。
第1種電気工事士についても、実務経験年数に関する規定を見直す。これまで大学・高専の電気工学系卒に限り必要な実務経験を3年間以上とし、それ以外は5年間以上を求めていたが、一律に3年間に見直す。21年4月1日から運用を開始できるよう、規定を整備する。
提供:建通新聞社