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2020/10/28

建設現場の健康リスクが改善 建災防調査

 建設業労働災害防止協会(建災防、今井雅則会長)が6〜7月に行った建設工事現場の無記名ストレスチェックによると、健康リスクの総合評価は2016年に行った前回調査と比べて5ポイント改善した。建災防はこの結果について、「建設業における働き方改革をはじめとした職場環境の改善によるもの」と分析している。今回から新たに調査項目に加えたワークエンゲージメント(働きがい)については、「ときどきあった」「しばしばあった」との回答した割合が多かった。新型コロナウイルス感染症の拡大が与えた影響についても同時に調査したところ、心身の健康については「悪化した」「やや悪化した」との回答の合計は17%にとどまった。
 調査は、建設労働者のストレス要因を把握し、建設現場の環境改善に役立てるため、16年に初めて実施。その結果を基に、建設業におけるストレスチェックの標準値を定めた。今回、建設現場における働き方改革の進展を踏まえ、標準値を改定するため、改めて実態調査を実施。今回の調査結果を標準値(100)とし、21年以降も調査を進める。
 対象は労務安全研究会の会員31企業の132現場。6月18日から7月27日にかけて、調査日に現場に就労していた1万0200人に調査を行い、9264人から回答を得た。
 調査結果を見ると、ストレス要因のうち「仕事の要求度」(負担感)の項目が8・31となり、16年比で0・1ポイント軽減。「仕事のコントロール」(裁量)も0・19ポイント改善し8・04となった。また、疲労感や不安感、抑うつ感を示す「心理的ストレス反応」は0・13ポイント軽減し、17・89となった。
 この結果、健康リスクの総合評価は5%改善。ストレス反応指数もわずかながら改善した。
 ワーク・エンゲージメントに関する調査の結果については、単純な比較はできないものの、他産業では働きがいを「めったに感じない」が最も多い回答だったのに比べると、建設業は高い水準となっている。
 新型感染症の影響に関するアンケート調査を見ると、心身の健康については「変化しなかった」が最多の73%。また、仕事や働き方の変化も「悪化した」「やや悪化した」は合計33%で、「変化しなかった」が最多の58%だった。

提供:建通新聞社