文部科学省は10月21日、技術士制度に関する審議会の作業部会を開き、今後の技術士のCPD(継続研さん)活動の在り方について議論した。文科省は、現在は努力義務となっているCPDについて、活動実績を確認し、公開する仕組みを構築するとの方向性を提示。これを踏まえ日本技術士会は、一定のCPD登録を要件とする「技術士(CPD認定)」の呼称を新設するとともに、技術士CPDの登録名簿を作成・公開するという制度イメージを示した。
海外の多くのエンジニア資格では一定期間での更新制と、資格保持者の名簿公開の仕組みが整備されている。文科省は技術士資格の活用を促し、国際的な通用性を高めるため、CPDの実績確認など制度の見直しに向けた検討を進めてきた。
日本技術士会が提示した新制度の案では、技術士がCPD時間の登録・申請を行い、審査を経て登録名簿を作成・公開する。CPD認定技術士の要件として、「年間20時間を5年間」を必須とし、「年間50時間を5年間」を推奨するとした。
文科省は21日の部会で、CPD活動の内容が個々の技術士の専門分野や業務上の立場に応じて多種多様なことを踏まえ、公開対象としては「能力維持のために行うもの」に限定することとした。活動形態は講演会への参加、論文発表にとどめず、▽専門書籍や専門誌の閲覧といった個人研さん▽学協会誌の購読、会員活動▽能力開発プログラムの受講―なども対象とする。
引き続き制度の具体化に向けて作業部会での議論を進め、技術士CPDガイドラインを策定するとともに、法令改正の必要性を検討していく。
提供:建通新聞社