厚生労働省は10月16日、「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」(座長・守島基博学習院大学経済学部経営学科教授)を開いた。今後の検討テーマとして、「テレワークの対象者を選定する際の課題」を設定。建設業など在宅での業務が困難な業種・職種がある中で、テレワークの効率的な導入方法や、適正な労務管理の在り方を検討していく。
テレワークは、通信機器を用いて自宅など遠隔地を職場とする働き方。新型コロナウイルス感染症の拡大防止を契機として急激に導入が進んでいる。厚労省では、テレワークの導入に伴う労働時間管理の困難さや、社内コミュニケーションの不足といった新たな課題が顕在化していることを踏まえ、検討会での議論を通じて対応方針を作成する。
16日の検討会では、パーソル総合研究所が5月29日から6月2日にかけて正社員の労働者を対象に行った、テレワークに関する調査結果を提示。たとえばIT系技術職のテレワーク実施率が61・8%だった一方、建築・土木系技術職のうち施工管理・設計系は32・3%、職人・現場作業員は4・0%にとどまるなど、業種・職種によってテレワークの導入状況が大きく異なることを紹介した。この他の職種では、▽警備・清掃・ビル管理(4・8%)▽ドライバー(3・3)―などの実施率が低かった。
厚労省はこうした現状を踏まえ、テレワークを導入する業務の優先順位付けやテレワークの頻度について検討を加えるべきとする論点を提示。今後、良質なテレワークを導入・定着させるため、人材育成や人事評価、費用負担など労務管理上の課題を整理していく。その上で、テレワーク中の労働者の作業環境や健康状況の管理・把握、メンタルヘルスへの配慮の方策について検討する。
提供:建通新聞社