国土交通省は、改正建設業法で創設した「監理技術者補佐」に継続的な技術の研さんを求めるため、CPD制度やリモート講習を活用できないかを検討する。監理技術者補佐は「主任技術者+1級技士補」の要件を満たすと、監理技術者が兼務している現場に配置できるが、監理技術者講習の5年に1度の受講が必要な監理技術者と異なり、講習受講などは求めていない。CPD取得などで継続的な技術力の向上を求められないか、2021年度に調査する。
21年度当初予算案の概算要求に調査費1998万円を盛り込んだ。改正建設業法(25条の27)では、建設工事に従事する技術者・技能者に技術・技能を向上させる努力義務を課しており、現場へのICT導入など、最新技術の習得を技術者が身に付けられる仕組みを検討する。
同じ改正建設業法では、監理技術者が監理技術者補佐を専任で配置した二つの現場を兼務することを認めた。ただ、監理技術者に5年に1度の監理技術者講習の受講を求めているのに対し、監理技術者補佐には講習受講などによる技術の研さんは求めていない。
17年6月の「適正な施工確保のための技術者制度検討会」では、CPD制度を活用して技術者に技術の研さんを促すよう提言している。21年4月に施行される経営事項審査の審査基準改正でも、所属する技術者のCPD取得の状況に応じた加点措置も導入される。21年度に他の資格制度の実態調査を行い、監理技術者補佐がCPD制度の他、リモート講習などで技術を研さんできる仕組みを検討する。
また、同じ調査では、講習を受講したり、CPDを取得した場合に、技術検定の受験資格である実務経験を短縮できないかどうかも検討する。ICT技術やデータ活用による遠隔からの施工管理の経験を実務経験にカウントする方法も考える。現在の実務経験の考え方を見直し、若手技術者が早期に現場で活躍できる環境を整える狙いがある。
提供:建通新聞社