2020/10/14
【地方建設専門紙の会】全建ブロック会議(2) 近畿ブロック
全国建設業協会 全国ブロック会議・地域懇談会
(2)近畿ブロック
■地元建設業の受注機会確保要望
全国建設業協会(全建、奥村太加典会長)と国土交通省の2020年度近畿ブロック会議が10月8日、神戸市で開かれた。近畿ブロック2府5県の各建設業協会で構成する近畿建設業団体協議会は、地元建設企業への受注機会の確保・拡大として企業チャレンジ型、若手・女性チャレンジ型などの充実、C・Dランク業者の発注機会増大など、働き方改革における担い手確保とi―Constructionなどとして適正工期のさらなる周知やICTの全面活用に向けて土砂など過積載防止のための建設機械の活用などを提案。国交省の幹部と意見交換した。
協議会幹事協会の兵庫県建設業協会の松田隆会長は、継続的・計画的な防災事業の実施、建設業が役割を果たすための経営の安定を求めながら、「設計が不十分で現場が一時中止するなどの事例もある。建設業者の経営を圧迫することがないようにしてほしい」と関係者協議を終え、完全な設計による発注を強く要望した。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)について「国交省が責任を持って強い姿勢で業界をリードしてほしい」と期待した。全建の奥村会長は「公共投資による内需の創出と雇用の確保は不可欠」と指摘、建設業の使命として「ポストコロナの新しい地域づくりで中心的な役割を果たす」と話した。
国交省の天河宏文不動産・建設経済局官房審議官は「地域建設業の発展に向けて担い手の確保や働き方改革などを推進する」と述べるとともに、「公共事業予算の確保にしっかり取り組む」と強調した。東川直正大臣官房技術審議官は、@―Constructionについて小規模にも対応する積算、工事書類の簡素化、工事検査での遠隔臨場の取り組み波及などを挙げて「改善すべき点は改善したい」との考えを示した。また、溝口宏樹近畿地方整備局長は「地域の建設業者はインフラ整備、維持管理のパートナーとして一翼を担う。担い手確保のためのチャレンジ型など、皆さんの声を聞き、発注方式のさらなる工夫を重ねたい」とあいさつした。
各建設業協会は要望事項として@暖冬による除雪対策(福井)A地元建設業(近畿地整一般土木C・Dランク)の受注機会および発注ロットの拡大(滋賀)B失業者を雇用する新たな人材の確保など担い手の確保・育成(京都)C大阪・関西万博関連事業に向けたプロジェクトマネジメント(大阪)D担い手三法・指針の出先事務所や地方自治体への周知指導(奈良)E発注の平準化、落札決定時間の明確化など発注関係・工事施工中関係(和歌山)Fチャレンジ型工事の発注増加など入札契約方式の改善(兵庫)―などを提案、国交省側と意見を交わした。
提供:地方建設専門紙の会