国土交通省・財務省・総務省は、入札契約適正化法に基づく実施状況調査に回答するよう、全ての公共工事の発注機関に依頼した。今回は、各発注機関の回答の負担を軽減するため、調査に合わせて施工時期の平準化の実施状況を自動算出できる「統一フォーマット」を配布し、このフォーマットを活用して月別の平準化率や発注量を報告するよう求めた。市区町村には予定価格130万〜500万円の小規模工事も含めて平準化の実施状況を回答するよう促している。
調査は、全ての公共工事の発注者を対象に毎年度実施しているもので、11月末までに報告を求め、2021年3月に結果を公表する。
施工時期の平準化については、前年度の調査で初めて地方自治体の平準化率(年間平均の月別の工事件数を「1」とした場合の4〜6月の稼働工事件数の割合)の結果を公表した。
20年度の調査では「統一フォーマット」を活用し、報告時の各発注機関の負担を軽減。フォーマットに工事ごとの契約金額や工期などの基礎的な情報を入力すると、平準化率や債務負担行為などの取り組み実績を自動集計できる。
このフォーマットを使うと、▽月別平準化率▽月別発注量▽月別累積発注率▽工期・契約時期一覧―などのグラフ化もできるため、年間の工事発注計画を効率的に検討することもできるという。
市区町村には、フォーマットの活用で調査の負担軽減を図ることで、これまでは対象外としていた500万円未満の工事も含めた平準化率を算出してもらう。
また、今回の調査では、建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した工事へのインセンティブの実施状況も調査する。カードタッチ率をインセンティブの条件にした「CCUS義務化モデル工事」、カードリーダーの現場設置を加点条件にした総合評価方式などに類型化し、各発注機関に実施状況を聞く。
提供:建通新聞社