国土交通省は、2020年度の建設投資(名目値)が前年度比3・4%減の63兆1600億円になるとの見通しをまとめた。建設投資は15年度以降5年連続で増加していたものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による民間投資の減少を受け、6年ぶりに減少に転じた。政府投資は前年度比3・1%増の25兆6200億円と増加し、民間投資の落ち込みを下支えする。政府投資が建設投資全体に占める割合は41%となり、10年ぶりに4割を超えると予測している。
建設投資見通しは、国内の全ての建設活動を出来高ベースで推計したもので、19年度推計からは政府・民間の建築補修(改装・改修)も含めて算出している(15年度までさかのぼって算出)。
新型コロナウィルスの影響で根拠となる政府・民間統計の発表が遅れたことを受け、建設投資見通しの発表も昨年の8月から大幅に遅れた。
民間投資は7・3%減の37兆5400億円で、内訳は▽民間住宅建築投資15兆0200億円(8・1%減)▽民間非住宅建設投資16兆2500億円(7・2%減)▽民間建築補修(改装・改修)投資6兆2700億円(5・9%減)―といずれも前年度の投資額を下回るとみている。
一方の政府投資は、『防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策』による公共事業費の上乗せによって、3・1%増の25兆6200億円と高い水準を維持。政府の建築投資は3・0%増の6兆2800億円、土木投資は3・1%増の19兆3400億円と予測している。
地域別の建設投資は、▽北海道3兆2300億円(0・3%減)▽東北6兆7200億円(3・9%増)▽関東22兆7100億円(3・7%減)▽北陸3兆2200億円(1・2%減)▽中部7兆1500億円(5・3%減)▽近畿7兆6700億円(6・7%減)▽中国3兆5000億円(5・4%減)▽四国1兆9500億円(3・5%減)▽九州5兆9900億円(3・9%減)▽沖縄1兆0300億円(5・5%減)―となり、東北を除く全地域で減少している。
提供:建通新聞社