2020/10/12
技術検定の不正防止 工事経歴を記録・管理
国土交通省は10月9日、技術検定の実務経験を偽る不正受験問題を受けた「技術検定不正受検防止対策検討会」の3回目の会合を開き、2021年度以降に実施する不正防止対策について議論した。検討会では、当面の対策として、企業が実務経験を適正に証明できるよう社員の工事経歴を記録・管理、実務経験のチェックリストの提出、「受験の手引き」の見直しなどを提言する見通しだ。
検討会は、技術検定の受験資格である実務経験の足りない不正受験が相次いで発覚したことを受け、8月に発足したもの。
9日の会合では、受験前、受験申請・審査、受験時、受験後の各段階の不正防止策を整理。実務経験を証明する企業に対し、社員の工事経歴を適正に記録・保管することを求める他、受験申請時には試験実施機関が実務経験を適正に算定できているかを確認するチェックリストの提出も求める。
複雑な実務経験の算定方法を理解できるよう、受験の手引きも見直す。受験申請を電子化し、実務経験の重複をデータで確認できる措置もとる。
画一的な試験問題については、受験者の個別の現場経験を問う試験問題へと見直す。不正が行われた場合のペナルティを厳しくすることも検討する。
検討会では、10月下旬に開く次回の会合で、提言案を固める予定だ。
提供:建通新聞社