国土交通省は、全ての公共事業の発注者を対象に測量、地質調査、建築設計、土木設計業務の発注関係事務の実施状況を始めて調査し、結果(19年11月1日時点)を公表した。調査結果を見ると、市区町村の54・2%に当たる934団体がダンピング対策(低入札価格調査基準、最低制限価格)を未導入と回答するなど、特に市区町村の取り組みの遅れが顕著。プロポーザル方式は889市区町村(51・6%)、総合評価落札方式は1593市区町村(92・6%)が未導入と答えた。
改正品確法では、測量・地質調査・設計業務を法律の対象に位置付け、工事と同様の品質確保を発注者に求めた。今年1月に改正された品確法の運用指針では、国に発注関係事務の実施状況を毎年調査し、結果を公表することも求めている。
これを受け、国交省は全ての発注者(国19機関、特殊法人125法人、47都道府県、20政令市、1721市区町村)の19年11月1日時点の発注関係事務の実施状況を調査した。対象は測量、建築設計、土木コンサルタント、地質調査の4業種。
調査結果によると、全4業種で低入札価格調査基準・最低制限価格を未導入と回答した発注者は、国2機関、特殊法人43法人、3都道府県、934市区町村。特殊法人の34・4%、市区町村の51・6%が未導入となっており、対応の遅れが目立った。
工事で低入札価格調査基準・最低制限価格制度を未導入の市区町村は、全体の5・5%まで減少しており、工事と比べてもダンピング対策が進んでいない。
企画提案で受注者を選定するプロポーザル方式は、国7機関、特殊法人12機関、3都道府県、4政令市、889市区町村が全4業種で未導入と回答。企業・配置予定技術者の実績などを評価する総合評価の未導入は、国7機関、特殊法人80機関、17都道府県、12政令市、1593市区町村とさらに導入率が低い。
「国の業務9割が第4四半期納期」
一方、履行時期の平準化については、納期を第4四半期に設定している業務の割合が最も高かったのは国の86・8%で、このうち3月に納期を設定している業務は60・7%に上っている。このほか特殊法人の59・0%、都道府県の58・0%、政令市の62・9%、市区町村の49・9%の業務が第4四半期に納期を設定していた。
提供:建通新聞社