国土交通省は9月30日、改正建設業法の施行に伴い、改正内容を周知するための通知を地方整備局、都道府県、建設業団体、民間発注者団体などに送付した。改正法施行に伴う政令、省令、告示、ガイドラインを通知し、10月1日以降の円滑な運用を求めた。改正法は、2021年4月1日の技術検定制度の見直し関連の規定の施行により、完全施行される。
19年6月に成立した改正建設業法は3段階で施行することになっており、今回の施行分は19年9月1日の施行(災害時の建設業団体の責務規定など)に続く第2弾。10月1日から、著しく短い工期での請負契約の禁止、建設業許可の基準見直し(社会保険加入の要件化、経営業務管理責任者の要件緩和)、監理技術者の専任緩和などを運用する。
9月30日には、改正法の施行に伴うガイドラインなども確定。大臣許可業者に監督処分に対する「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」を見直し、事業承継(事業譲渡、合併・分割)を行う場合の許可の事前認可制度で、承継元の許可業者の不正行為が発覚した場合、承継先の許可業者に監督処分を行うことを明記。
「建設業許可事務ガイドライン」も改正し、経管の要件緩和、社会保険加入の許可要件化、事業承継の事前認可制度の審査事務の解説などを追加した。
「建設業法令遵守ガイドライン」と「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」の改訂では、「著しく短い工期」の判断材料と判断の視点を追加。下請け代金のうち労務費相当分を現金払いとするよう求める規定では、下請け代金を全額手形払いとするケースなどを「望ましくない行為」とした。
「監理技術者制度運用マニュアル」を改正し、監理技術者を兼務させる現場の範囲などを規定。下請けの主任技術者の配置を求めない「特定専門工事」では、元請け・主任技術者に配置する主任技術者の要件である「指導監督実務経験」について、工事現場主任者、工事現場監督者、職長などの経験を求めるとした。
提供:建通新聞社