国土交通省は9月24日、社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会を開き、持続可能な国土幹線道路システムの構築を求める中間報告案を提示した。中間報告案では、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、道路システムのDX(デジタル・トランスフォーメーション)に集中的に取り組むよう提言。デジタル技術を活用し、施工と維持管理の自動化・無人化、道路インフラの異常の早期発見・早期処理などを実現するとした。
中間報告案では、新型コロナウイルスの収束後を見据え、今後5年で取り組む施策を提言。この中では、道路利用サービスの質を高めるため、IT技術を駆使する「道路システムのDX」を提唱している。
具体的には、IT技術を活用して道路インフラの状況把握を効率化し、損傷箇所・落下物などの異常を早期に発見すべきとした。ドローン・AIを活用し、点検・診断などのメンテナンスも効率化。ICT施工を徹底的に導入し、除雪・除草・清掃の自動化にも取り組むよう求めた。
一方、激甚化・頻発化する自然災害に対しては、従来の「被災する道路」から「救援する強靭(きょうじん)道路」に転換。高速道路と直轄国道を組み合わせたネットワークの緊急点検を行い、ミッシングリンクの解消、暫定2車線区間の4車線化、ダブルネットワーク化を推進すべきとしている。
提供:建通新聞社