2020/09/15
CCUS活用支援求める 労働団体の意見聴取で
厚生労働省は9月14日、労働政策審議会の建設労働専門委員会を開き、2021年度から5年間を対象とした第10次建設雇用改善計画の策定に向けて、建設関係労働団体からの意見聴取を行った。建設労働者・職人で構成する全国建設労働組合総連合(全建総連)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)による技能者の能力評価や企業評価の制度について、「技能者の処遇改善、若年者の入職促進・確保を可能とする仕組み」と歓迎。技能向上やCCUSを活用した処遇改善に取り組む技能者や事業者への支援策を第10次計画に盛り込むよう求めた。
全建総連は19年に行った組合員の賃金実態調査を踏まえ、全国の平均年収額が14年比で約1割増加しているものの、全産業男性労働者と比べると約17%低い水準にとどまっている現状を指摘した。
その上で、技能者の能力向上・処遇改善へのさらなる支援を打ち出すよう提案。資格取得や認定職業訓練、技能レベルに応じた処遇改善など、CCUSで評価対象となる取り組みへの支援策を第10次計画に位置付けるべきとした。
ゼネコンのホワイトカラー層で構成する日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)は、時間外労働時間の罰則付き上限規制の適用が24年4月に迫っていることを踏まえ、週休2日(原則土曜閉所)の実現と所定外労働時間の削減に向けたさらなる取り組みを提言。改正建設業法に基づく「著しく短い工期での請負契約の締結禁止」に向けて、土日閉所を原則とした工期に関する基準を明示し、運用を徹底するよう求めた。また、原則全ての公共工事を週休2日工事と位置付けることや、適正工期設定の民間への波及促進、着工前に工程表の提出を義務付け、工期を検証する「着工許可制度」の整備も提案した。
日本基幹産業労働組合連合会は、地方自治体が公契約を締結する際に賃金・労働条件に関する規定を設ける公契約条例について、制定をさらに促進する必要があるとした。また、働き方改革を推進するため、適正工期の設定や施工時期の平準化といった発注者側の取り組みのさらなる推進を求めた。
提供:建通新聞社