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2020/08/31

特定技能 建設分野で初の国内試験

 建設分野で特定技能外国人の在留資格を取得するための技能評価試験が8月28日、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で初めて行われた。建設分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、海外での試験が延期になっており、建設技能人材機構(JAC)は、技能実習生や外国人建設就労者などとして国内に在住している外国人向けに「鉄筋継手」の試験を行った。これに続き、15日には「土工」の職種でも国内試験を実施する予定だ。
 特定技能の在留資格取得には、技能評価試験と日本語試験の合格が必要だが、建設分野ではこれまで試験が行われていなかった。このため、建設分野で特定技能の在留資格で日本に入国した外国人(374人、6月末時点)は、試験を免除されている技能実習修了者や外国人建設就労者からの移行に限られている。
 このため、特定技能の対象18職種の中でも、技能実習制度の対象ではない6職種は、現在まで受け入れの実績はない。
 初めての国内試験を行った「鉄筋継手」も技能実習生を受け入れていない職種の一つで、試験の実施によって受け入れの環境が整う。28日の初めての試験を受験したのは、ベトナム、フィリピン、アルジェリア、中国の各国籍の外国人33人で、このうち29人が他職種の技能実習生や外国人建設就労者などとして国内の現場に従事している外国人だった。
 当日は、受験者の技能レベルを評価するため、学科試験と実技試験を実施した。実技試験では、鉄筋の端面の加工、圧接器の取り付け、外観検査の作業を行ってもらい、試験官が採点。試験問題の作成や試験官の派遣などは、全国圧接業協同組合連合会(全圧連、大場毅夫会長)が担った。
 学科試験・実技試験のいずれも新型コロナウイルス感染症対策として、ウォークスルー方式で受験者が1カ所に集まることを回避した。
 技能実習生として日本に在住している受験者(ベトナム、23歳)は「試験に合格すれば、家族の帯同も認められる特定技能2号に進みたい。将来はベトナムで鉄筋継手の会社を起こしたい」と話す。
 合格者は11日にJACのホームページで発表する。15日の土工の試験は52人が受験する予定だ。

提供:建通新聞社