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2020/08/28

施工体制台帳、帳簿の電子化可能に

 国土交通省はきょう8月28日、建設業法の施行規則を改正するための省令を公布する。省令では、改正建設業法の施行(10月1日)に伴って経営業務管理責任者(経管)の新しい要件を定める他、書面提出・保存を求めている書類の電子化を容認。施工体制台帳の添付書類(契約書、下請け契約書の写し)の電子化を認めたり、営業所ごとに5年間の保存義務がある帳簿のデータ保存を可能にする。
 改正建設業法に盛り込まれた許可要件の見直し(社会保険加入の許可要件化、経管の要件緩和)や事業承継・相続の事前認可などの詳細な規定を施行規則に定める。合わせて、施工体制台帳や電子契約に関する規定も見直す。改正法と同じ10月1日に施行する。
 許可要件の一つである経管には、許可を受けようとする業種で常勤役員(取締役、執行役員など)として5年以上の経験が必要。要件の見直しでは、まず同じ許可業種での経験を求める現在の区別を廃止し、全許可業種の役員経験を建設業の経験として統一。その上で、「役員に次ぐ職制上の地位」(管理職など)や建設業以外の業種での役員経験でも、要件をクリアできるようにする。
 具体的には、「建設業の常勤役員2年以上+管理職など3年以上」と「建設業の常勤役員2年以上+建設業以外の業種の常勤役員3年以上」とし、建設業以外での経験や役員以下の役職での経験を合算できるようにする。この場合、財務管理・労務管理・運営業務の管理職などとして、常勤役員を5年以上直接補佐した経験がある社員を配置することを求める。
 また、許可業者の事業承継(事業譲渡、合併)・相続の際に許可の空白期間を解消するための事前認可制度では、申請手続きや提出書類を規定する。
 施工体制台帳には、現場に従事する技能者の氏名・職種・社会保険加入状況・建退共加入状況・保有資格を記載した作業員名簿の添付を義務付ける。添付書類のうち、契約書の写しと主任・監理技術者との恒常的な雇用関係を示す書面は電子データで添付することを認める。帳簿の添付資料の一部(下請け契約書など)をデータで保存することも認める。
 建設工事の請負契約で、クラウド利用の電子契約サービスが普及してきたことを踏まえ、契約の相手方の本人性を担保する電子署名などを利用することを電子契約の技術的基準に追加する。

「建設業経理士 講習受講を加点要件に」

 省令ではこの他、建設業経理士の経営事項審査の加点の条件として、5年ごとの講習受講を追加。講習を主催する登録経理講習実施機関も施行規則に位置付け、経理士の有資格者に登録機関が開く講習の受講を求める。
 また経審の審査項目に技術研鑽に取り組む技術者・技能者を追加し、CPDを取得した技術者、建設技能者の能力評価制度でレベルアップした技能者らを雇用する企業を加点する。これら経審関連の見直しは21年4月から適用する。