国土交通省・総務省・財務省は、全ての公共工事の発注者を対象とした、入札契約適正化法に基づく実施状況調査(2019年11月1日時点、一部19年3月31日時点)の結果を発表した。調査結果によると、工期を設定する際に受注者側の休日に考慮していると回答した市区町村は36・9%と4割に満たず、さらに適正な工期を確保するために「特段考慮している事項はない」と回答した市区町村も29・4%に上った。
入契法に基づくこの調査は、国交省、総務省、財務省の3省が全ての公共工事の発注機関を対象に実施しているもの。今回の調査には、国19機関、特殊法人など125法人、地方自治体1932団体(47都道府県、20政令市、1721市区町村)が回答した。
昨年6月に公布・施行された改正品確法では、建設業の働き方改革に対応するため「休日、準備期間、天候等を考慮した適正な工期の設定」を公共工事の発注者の責務と位置付けている。
今回の調査では、適正な工期の確保に関する設問を新設。これに対し「特段考慮している事項はない」と回答した都道府県・政令市はなかったが、市区町村の29・4%に当たる506団体が考慮していないと答えた。
工期を設定する上で、公共工事に従事する技術者・技能者の休日に考慮していると回答した自治体も、都道府県で45団体(95・7%)、政令市17団体(85・0%)、市区町村635団体(36・9%)となり、特に市区町村の対応の遅れが目立った。全体の80・6%に当たる1387の市区町村が週休2日モデル工事に取り組んでいないとの結果も出ている。
一方、ダンピング対策では、低入札価格調査基準価格と最低制限価格のいずれも導入していない市区町村は109団体から94団体に減少。ダンピングやくじ引きによる落札を招く恐れがあるにも関わらず、低入札価格調査基準価格を全案件で事前公表している自治体は、都道府県で2団体(4・3%)、政令市でゼロ、市区町村で53団体(7・0%)あった。
最低制限価格の事前公表(全案件)は、都道府県で2団体(4・5%)、政令市で1団体(5・0%)、市区町村で136団体(9・0%)だった。
提供:建通新聞社