帝国データバンクがまとめた「女性登用に対する企業の意識調査」によると、建設業は女性管理職の割合が9業種中で最も低い平均4・3%だった。一方、女性登用の効果を聞いた質問では、「従業員のモチベーションが上がった」「労働環境が改善した」の2項目で建設業が全業種中トップの回答割合になるなど、女性登用の効果を実感している傾向が分かった。
女性管理職の割合は全業種平均で7・8%(前年度比0・1ポイント増)となり、政府目標の「30%以上」とは、依然として乖離(かいり)がある。会社の規模が小さいほど女性管理職の割合は高く、小規模企業では10・5%、中小企業では8・3%だった。
また、女性登用を進めている企業は全体の42・6%。効果については「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」(71・8%)が最も多かった。
一層の女性活躍の促進に必要な取り組みは、「妊娠・出産・子育て支援の充実」(64・7%)がトップとなり、これに「仕事と子育ての両立支援」(56・2%)、「働き方の改革」(55・3%)、「保育サービスの充実」(52・7%)、「女性にとって快適・安全となる空間づくり」(41・8%)が続いた。
建設業だけを見てみると、女性管理職の割合は4・3%で全業種中で最低。政府目標である女性管理職30%以上を達成している企業の割合でも、運輸・倉庫に次いで低い4・4%にとどまっている。
一方で女性登用の効果については、回答10項目のうち8項目で建設業が全業種平均を上回り、2項目でトップとなった。他業種と比べて建設業の回答割合が高かった項目は、「従業員のモチベーションが上がった」「従業員同士のコミュニケーションが活発になった」「労働環境が改善した」「現状の人材不足に対応できた」など。
このほか具体的な声として、「女性技術職の採用で労働環境が改善された」(木造建築工事)、「女性作業員用の更衣室やお手洗いなどの改善が進み、以前よりは働きやすくなっている」(内装工事)などがあったという。
調査は7月16日〜31日に全国2万3680社に実施し、1万1732社が答えた。
提供:建通新聞社