文部科学省は、公立学校施設の耐震改修状況に関するフォローアップ調査の結果をまとめた。木造以外の構造体の状況を見ると、耐震化率は前年同期比0・2ポイントアップの99・2%。耐震化されていない残棟数は1173棟だった。文科省は今回の調査結果を踏まえ、対策が未実施の施設設置者に対して早期の完了を要請している。
調査対象は全国の公立の小中高校、特別支援学校、幼稚園など。4月1日時点の▽構造体の耐震化▽屋内運動場の吊り天井の落下対策▽天井材や窓ガラス、内外装材などの非構造部材の耐震対策―をまとめている。
非木造の施設のうち、耐震化を完了していない棟数は▽小中学校674棟▽幼稚園153棟▽高校324棟▽特別支援学校26棟―。
小中学校施設の構造体の耐震化率に着目すると、耐震性が不足している建物の棟数が多い都道府県は▽北海道(129棟)▽沖縄県(67棟)▽東京都(60棟)▽大阪府(51棟)▽福島県(48棟)―が上位5者となった。
耐震化率が下位の都道府県は▽沖縄県(95・7%)▽愛媛県(96・9%)▽北海道(96・2%)▽富山県(97・3%)▽福島県(98・0%)―。
屋内運動場などの吊り天井の落下防止対策については、対策実施率が0・6ポイントアップの98・7%となった。対策が未実施の棟数は535棟。
吊り天井を除く非構造部材は、耐震点検の実施率が3・6ポイントアップの92・9%だった。一方で対策の実施率は5・3ポイントアップの48・0%にとどまった。ガラスの破損や内外装材の落下など、老朽化により非構造部材の地震時の被害が拡大する恐れがあることを踏まえ、老朽化対策の取り組みを支援していく。
提供:建通新聞社