2020/08/11
約6割が金融支援を利用 新型コロナ影響調査
日本政策金融公庫は、新型コロナウイルス感染症が企業活動に及ぼしたマイナスの影響に関する特別調査の結果をまとめた。建設業では「影響あり」の回答が55・5%となった。全業種平均の71・8%よりは低いものの、それでも建設業の過半数にマイナスの影響が出ていることになる。回答した建設業のうち、3〜6月期に金融支援を利用した事業者は58・2%に上った。
調査は6月中旬に全国9地域の1万6000企業を対象に行い、5644企業から回答を得た。従業員20人以下の企業が回答者の8割以上を占めている。建設業では1394社から回答があった。
新型感染症の企業活動への影響に関する建設業の回答を見ると、「影響あり」とした上で「回復の兆しなし」と回答した企業は21・7%となり、業種別では最も少なかった。
この他、▽「影響あり」のうち「回復の兆しあり」は33・8%▽「影響なし」のうち「今後、影響が出る可能性が高い」は37%▽「影響なし」のうち「今後、影響が出る可能性が低い」は7・4%―となっている。
建設業が資金繰り対策のために受けた金融支援は、信用保証付き融資が64・1%で最多。以下、▽政府系金融機関による融資が39・6%▽民間金融機関による融資が12・9%▽返済緩和が5・0%―だった。
建設業が金融支援を利用した理由は、「取引先への支払・返済など取引継続のため」が67・8%、「人件費支払など従業員の雇用維持のため」が72・7%だった。この他、「営業の見直し・強化のため」との回答も19・3%あった。
今後の金融支援の利用については、建設業の69・9%が「検討している」と答えた。
提供:建通新聞社