2020/08/07
パワーアシストスーツ 20年度に現場実証
国土交通省は、装着すると人間の作業負担を軽減できる「パワーアシストスーツ」を建設施工に実装するため、2020年度に現場実証を行う。パワーアシストスーツは一部の建設現場で使用されているものの、活用の効果が明確ではなく、普及は広がっていない。現場実証を通じて性能評価の指標を定めることで、技術開発や現場実装を後押しする。21年度以降に技術開発・導入に向けたロードマップも検討する。
パワーアシストスーツは、体に装着することで作業効率を高めたり、作業負担を軽減する効果があり、物流、工場、介護などの分野に広がりつつある。出荷台数は世界で158万6000台に上るという。
国交省は、高齢化した技能者の現場作業を支援し、生産性を高める可能性のあるパワーアシストスーツを建設現場に普及させたい考えで、まず20年度に現場実証を行って性能評価手法を検討する。現場実証では、作業負担の重い鉄筋工、人力除雪工、付帯構造物設置工、災害復旧などの工種で効果を検証する。
8月5日には、学識経験者や関係団体を集めた「建設施工におけるパワーアシストスーツ導入に関するワーキンググループ」を発足。現場実証の成果も踏まえ、21年2月まで性能評価の指標などを検討する。
5日の初会合で、開発者の一つであるCYBERDYNEの山海嘉之社長は同社製品の装着によって「腰部の負荷を最大40%低減できる。労働災害の防止や人材の定着、生産性向上にも貢献できる」とその効果を強調した。
提供:建通新聞社