国土交通省関東地方整備局は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、建設現場の「3密」回避に資するロボット技術として、@人と協働して現場内で資機材を運搬する技術A衛星による測位システムを利用できない環境下でも自律的に飛行し、UAV計測を可能とする技術―を公募する。ロボットによる運搬技術は1000万円、UAVによる計測技術は3000万円を上限として契約を締結し、関東地整が提供するフィールドなどでの技術実証を委託する。従来の枠にとらわれない新技術の活用性を検証し、建設現場の感染症対策と生産性のさらなる向上につなげる。
公募テーマのうち、「人協働型のロボットによる現場内運搬の省人化技術」では、作業員の後を追従して資機材の運搬を支援したり、あらかじめ設定したルートをたどって自律的に資機材を運ぶ技術の提案を募る。少子高齢化に伴う作業員不足に対応し、3密を回避できるような少人数での作業を可能とするため、運搬作業のロボットによる省人化を目指す。路面の凹凸が大きい屋外や足場上など、幅広い現場条件の想定を受け付ける。
「非衛星測位環境下におけるUAV計測およびAPIによる現場計測の省人化技術」では、GNSS衛星による測位が困難な、険しい山間部や橋梁の下部などの調査、画像取得を想定。衛星による測位の支援がない環境下での正確な計測を実現するため、UAVを安全に自律飛行させて詳細な画像を取得できる技術を募る。画像から施工に必要な3次元モデルを生成し、施工管理に必要な現地計測の大幅な削減に生かす。飛行で得られたデータは、公開のAPIによりクラウド上からアプリケーションを通じて共有できるようにする。
技術公募の締め切りは9月4日。個社、コンソーシアムのいずれの応募も可能。ベンチャー企業を含め、建設業者の他に幅広い業種の民間企業の応募も受け付ける。また、大学や研究機関の参加も可能としている。9月中旬に書類審査とヒアリングを行い、下旬に審査結果を決定・公表。10月にも契約を締結し、年度内に現場での試行を終え、その結果をまとめる。運搬技術とUAVのテーマごとに各2件程度の採択を見込んでいる。
提供:建通新聞社