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2020/08/03

連載:中小建設業はテレワークで変わる(4)

連載:中小建設業はテレワークで変わる(4)
ITで「情報を共有する」「業務を管理する」 
相互理解で働き方改革も促進 大塚商会

 外出先や帰社時間を記入する「行き先ホワイトボード」や、共用の資料を保管する「キャビネット」などを、オンライン上に置き換えるサービスが、グループウエアやオンラインストレージです。情報を1カ所に集約し、外部からも共有できるようにすることで業務の効率化が実現します。
 グループウエアでスケジュールを公開すれば、誰が・いつ・どこで・何をしているかを、お互いに把握できます。積極的に社内で共有したい情報については「掲示板」で発信するといいでしょう。データの共有には、クラウド上のオンラインストレージを活用します。社外からでもデータを確認でき、整理や検索なども簡単です。
 ある会社では、グループウエアの活用が進んだことにより、「実は分かりにくかった」という社長や上司、同僚の予定や仕事の進捗が把握できるようになりました。自らの業務の進捗管理も、より細かくできるようになったといいます。
 建設業でも「働き方改革」による週休2日の実現が求められています。工程やスケジュールを管理・共有することにより、休みを取得しやすくなります。また、各自のスケジュールをオープンにすることで関係者間の相互の理解も進み、全体の休日取得の促進にもつながるでしょう。

=生産性向上、リスク管理に活用=

 働き方改革に当たっては、より厳密な労働時間の管理も必要となります。手書きやタイムカード、表計算ソフトなどではなく、システムと連動して勤怠を把握できる方法が有効です。
 実際の勤務時間と管理上の勤務時間の乖離(かいり)が問題視されることもありますが、例えば、パソコンの電源オン・オフの時間をログ管理システムで記憶することで、より正確に実態を把握することができます。
 特に中小建設業の場合は、“時間”ではなく“仕事内容”で動いているところがあり、結果として「働き過ぎ」の現状があります。こうしたシステムの導入により、自ずと効率化に向けた工夫が生まれ、実際の残業時間の削減にもつながっています。
 このほか、社員がパソコンで、いつ・どのようなアプリケーションを使ったか、ファイルを操作したか、なども一元的に把握することができます。仕事の効率性をはかったり、セキュリティを確保する効果があります。設計会社などでは、アプリケーションの使用状況のログと、成果物の量や内容を照らし合わせ、評価指標として使っている場合も珍しくありません。
 ただし、こうした管理の目的は、社員の行動を監視することではありません。あくまでも効率よく働いて生産性を上げること、不測の事態があった場合にも社員や会社と貴重なデータを守ることが目的となります。
(大塚商会 PLMソリューション営業部:山田琢司、マーケティング本部:井川雄二、中村真之)