トップページお知らせ >中央ニュース

お知らせ

中央ニュース

2020/07/22

トンネル粉じん対策指針を改正

 厚生労働省は、トンネル建設工事での粉じん対策に関するガイドラインを改正、公表した。6月に公布した粉じん障害予防規則などの改正省令を踏まえ、切羽に近接する空気中の粉じん濃度の測定方法を示す項目を新設。測定結果を踏まえ、適切な呼吸用保護具の使用を求めている。さらに、粉じんの発生量が少ないトンネルボーリングマシン工法やシールド工法の採用を設計段階から検討するなど、粉じんの発生を抑制する対策の強化を盛り込んだ。2021年4月1日から施行する。
 改正省令は、トンネル建設工事の坑内について、半月に1回以上、定期的に切羽付近の粉じん濃度を測定することを義務付ける。ガイドラインはこれを踏まえ、切羽から10、30、50bの地点に定置式の試料採取機器を設置するなど、粉じん濃度の測定方法を規定。濃度に応じて必要になる呼吸用保護具の能力を明示した。
 ガイドラインではまた、「ずい道等の掘削等作業主任者の職務」として、▽粉じん濃度の測定やその結果を踏まえた掘削▽換気の方法の決定▽適切な呼吸用保護具の選択、使用―を追加した。
 さらに、粉じんの発生源対策として、コンクリート吹付作業では室式型の吹付機械装置と同等以上の措置として「エアレス吹付技術」を明示。吹付時の粉じん濃度を低下させるため、粉体急結材・液体急結材の使用と分割練混ぜを導入することとした。
 換気方式の選定に当たっては、吸引捕集方式がより効果的とした。新たな換気設備として▽局所集じん機▽伸縮風管▽エアカーテン▽移動式隔壁―などを挙げ、導入を促している。
 粉じんの目標濃度はこれまでの1立方bあたり3_cから2_cへと見直し、より厳しくした。
 呼吸用保護具の使用基準も強化。粉じん濃度に応じて電動ファン付き呼吸用保護具を使用することとした。
 作業主任者に関する規定については経過措置を設け、22年4月から施行する。また、21年4月以前に発注されたトンネル建設工事に限り、粉じんの発生源や目標レベルについては従前のガイドラインの規定を適用する。

提供:建通新聞社