建設コンサルタンツ協会(建コン協、高野登会長)は、受発注者がテレワークを実施する環境下にあって、円滑かつ確実に業務を履行するための「テレワーク環境整備のガイドライン(案)」を9月〜10月をめどにまとめ、国土交通省をはじめとした発注者に提案する考えだ。新型コロナウイルス感染症の拡大による受託業務への影響と、これまで対応してきた経験を踏まえ、現時点で把握されている課題の改善提案とともに、テレワークの推進に向けた標準的なガイドライン(案)を提示する。
ガイドライン(案)は、▽事前準備▽業務契約後の準備▽参考資料−で構成。受発注者がそれぞれ担う役割と、実際に行う準備を明確化する。
例えば、受注者であればネットワークの経由方式やライセンスキーなどの認証方式を整理しておくことを共通認識とし、発注者は貸与資料や基準類を電子化すること、業務の進ちょく状況や打ち合わせ資料などを受注者と共有できる環境を整備しておくことなどを受注者、発注者、受発注者−の視点から整理。事前に準備しておくべき事項を共有できるように文書化する考えだ。
リモートで、記者の質問に答えた高野会長は「建設コンサルタントは、感染リスクを低減することにもなるリモートで業務を行うことができる。建設分野に身を置く私たちは、ポストパンデミックをにらんだ経済対策としてのインフラ整備を、設計という技術領域から支えていかなければならない」と強調。
その上で、「テレワーク環境を整備するためには、社員の住空間における環境整備のための費用の補助や、都心のオフィススペースの見直し、サテライトオフィスの用意の検討など、企業としても取り組むべきことがある」との認識を示した。
提供:建通新聞社